ここでは多くの方にプロジェクトを立案して頂けるよう、P2PやSIONetの概略、それらを元に現在進行しているプロジェクトなどを例に取りながら、新しいコミュニティグループの運営までの手順をご紹介いたします。

【P2P(ピアツーピア)ってなに?】
 P2Pはpeer to peerの省略形です。ピアツーピア(Peer to Peer)の「peer」は英語で「同僚、同等の者」を意味します。「peer to peer」とした場合、端末間やユーザ間といった個、個人の間で“対等”な通信を行う技術を意味します。HPを閲覧するインターネットは「サーバ・クライアント方式」と呼ばれており、サーバが管理者(ブローカ)になので「主」となり、それを利用するクライアントは「従」となります。「ピアツーピア」は、その主従関係と対比して用いられることの多い言葉です。
 なお、P2Pという言葉は、端末のコンピュータなど「個」よりも「個人」に重点を置いた表現としてperson to personを指すこともあります(意味はpeer to peerと同じ)。
 
【SIONetってなに?】
 日本電信電話株式会社(NTT)が開発した、サーバを経由しない新しい通信方法であるピアツーピア(P2P/Peer to Peer、欄外参照)の新技術です。NTTの「未来ねっと研究所」において開発されました。P2Pは、21世紀のインターネットにおける新しい利用法として注目を集めています。
 P2Pと言えば、これまでにもネプスター(Napster)やグヌーテラ(Gnutella)、ウィンMX(WinMX)などのいわゆる「ファイル交換ソフト」として再三メディアに登場してきました。しかし、これらの利用方法は、そのどれもが「データ交換」だけを目的としたP2Pの一利用例に過ぎません。 
 SIONetでは、様々なアプリケーションを組み込むことで、ファイル交換に留まらず、様々なコミュニケーションの形を創造できるのが特徴です。
より詳細な解説については「P2Pとは?」をご参照下さい。

 それでは以下、現在進行しているプロジェクトの概要を紹介します。
(1)アドホックモールプロジェクト
桐生在住の作家自身が中心になり、誰もが自由に出店、買い物ができるインターネットバーチャルモールを構築します。バーチャルでありながら、フリーマーケットで買い物をするようなアプリケーションです。
 ヤフーや楽天市場のように、ブローカがあらかじめ用意した「テナント」状のモールに出店するのとは異なり、マーケットそのものを参加者である作家自らが生み出し、育て、さらには別のイベントプレイスを設置したりすることが可能です。
 管理者が不在であるため、参加者は自らの情報だけを管理すれば良いのです。つまり、今まで必要とされてきたサーバやネットワーク管理者などを必要とせずにモールの運営が可能となるのです。
2)ワイン日記
本来、日記というものは個人個人が書くものですが、このワイン日記は、参加者が書いた日記をまるで一冊の本でも読むように閲覧できるアプリケーションです。
 また、閲覧者は、意味情報(キーワード)を選択することで、検索条件に合致したワイン情報だけを取り出して閲覧することや例えば「20代女性が好む」と検索することで専門家はマーケティングにも利用することも可能です。
 この際、各個人が自身のパソコンに登録したプロフィール情報を元に検索され合致した情報のみが閲覧可能となり、検索を行った参加者は登録したプロフィールのすべてを直接見ることはできないため、参加者にとって非常にセキアーなシステムであると言えます。

 先に紹介したプロジェクトによって、作家参加者と一般ユーザの新たなコミュニティ形成を期待しています。参加者同士が自由に、柔軟にコミュニティを形成することによって、このネットワークがきっかけとなり、それぞれの地域において、新しいコミュニティ活動がおこることを期待しています。
 例えば、アドホックモールプロジェクトの場合、このモールがきっかけとなり、近くに住む作家達が実際に場所を借りてマーケットをオープンさせたり、PC環境の整っていない作家へのサポートとして、数十人の作家の作品をモールに紹介する方(ここではバーチャルとリアルの2つのネットワークを繋ぐという意味から「コネクター」と呼びたい)が誕生したりと、コミュニティビジネスのモデル形成に役立つのではないかと期待しています。
 また、作家の作品がきっかけになり、実際に作品が置いてあるショップや街へ人々が訪れ、新しい形の地域活性化のきっかけになることを望んでいます。

 ここでは、皆さんから寄せられたプロジェクト案がどのような手続きを経て、コミュニティグループとして認定されるかについてご説明いたします。
 ご提案頂いたプロジェクトに関しては、その内容が評価、認定された場合一つのコミュニティグループとして運営されます。それに伴って、各部会が運営やシステム化、技術的なサポートなどを行います。なお、プロジェクト立案者が基本的にはそのコミュニティグループの主査となり、また、P2Pコンソシアムの特別会員として登録されます。
 これまでになかった画期的なプロジェクト立案を募集します。新しいP2Pコミュニティネットワークの実現に向けて、奮ってご応募下さい。



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